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【シヌタプカ】の語源を突き止める !(続きー28)
 ❖ アイヌ語の Nitat ニタッという語は、普通、谷地(やち)という日本語に訳される。その実態は泥沼とか湿地を表すとされ、アイヌの古い語り物(神謡・民話)の中では Nitat Unarpe (谷地の姥)という名の化け物として登場する。

▽ ヌタ( Nutap )=沼田と、ニタッ( Nitat)=泥地は兄弟の言葉 ❓
... 沼田(ぬた)という古い日本語は、沼のように深い田んぼを意味するのでなくて、泥深い水溜り、イヤ、水溜りと言うより、泥溜まりとでも表現すべき場所を表していたのだ。
 🟢 この【ヌタッ】という言葉は、アイヌ語と言うべきか、それとも大和言葉と考えるべきか悩ましいコトバなのである。少なくとも、古い先行語の【縄文語】の語彙から共に少し進化を遂げて、それぞれの言語の泥沼や湿地の観念を表す言葉になったのだ。
 アイヌ語の Nutap と Nitat の関係は、大和言葉の「沼田(ぬた)」と「仁田(にた)」の関係に照応しているのは、決して偶然ではないし不思議でもないのである。

▼ 仁田という地名は無いけれど ...
... 私が知らないだけかも知れないが、沼田(ぬた)と違って【にた】の方には仁田川のような地名は無いようだ。
 🔺 だが、地名でなく地形を表す語として仁田などの言葉が使われ、それがそこに住む人の姓になったことは有るようだ。
 昔、人気レスラーで大仁田厚(おおにた・あつし)という選手が居たが、この大仁田の姓も湿地の場所に由来するものではないかと私は思っている。

🔵 ヌタプ( Nutap )の具体例はどんな土地柄 ❓
... イメージが浮かぶ訳語を考えようと大見得を切った。身近に在る Nutap と呼べる地形を探してみよう。
 ⭕ 巾着田(きんちゃくだ)って知ってる ❓
 埼玉県の日高市に美しい彼岸花の群落で有名な巾着田という名所が在る。これがヌタプの一つの候補地だと思っているのだが、
その続きは次回に語るしかなくなった。   ( 次回につづく ・ Suy unukar an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-09-14 11:06 | Trackback | Comments(0)

【シヌタプカ】の語源を突き止める!(続きー27)
 歯に絹を着せずに、ズバリと何を言っているのか分かる、そんな言葉でヌタプ( Nutap)というアイヌ語の原義を探ろう!
 🔵 Nutap は、日本語で言えば「三日月湖」ないしは三日月形の干潟を言う。
... この語を分析すると、nut (泥沼・沼地)+ ap (釣り針・鉤)となると考えられる。

▽ ヌタプは「釣り針沼」ないし「鈎形の干潟」!
... 日本語では沼や湖の形を三日月に見立てた。気象や天体の運行に敏感だった農耕民族として当然の感覚だろう。一方、アイヌの先人たちは、漁労の道具で沼や湖の形を表現した。
 🔺 Nutap に、いきなり泥沼の訳語を宛てるのは如何にも乱暴なんじゃないの ❓
 そう思われるかも知れない。ご尤(もっと)もと、そう言いたい所だが、私が勝手に独りで考えた訳語ではないのである。

▼ 大和言葉からアイヌ語の古い形を推定する !
... 沼田と書いて何と読む ❓ もう皆さんはこの地名というか地形を表す大和言葉を【ぬた】と読むことはご存知だ。「ぬまた」と読むのは時代が下ってからの新しい読み方なのだ。
 🟫 実は沼田と漢字で書いても、沼のように深い田んぼを指すのでは無しに、【ヌタ】という古くからの固有語が有って、後の世の人が、その地形に漢字を宛てたものに過ぎないのである。
 【ぬた】は泥沼とか泥地を指す日本列島の固有語であって、稲作などで田んぼが作られる、その遥か前の時代から列島に存在したコトバなのである。縄文語と私の場合には名付けているが、その縄文語の重要な基礎語彙である。

☆ 縄文語の末裔に該たるアイヌ語にも【 Nitat ニタッ】= 湿地・谷地の語が有る !
... 勘の良い方は既にお見通しだろう。この泥地の意味を表すヌタプやニタッの語は、このあと地形変動して泥沼から肥沃な台地へと変身して行くのだ。
 ⭕ 次回にその過程を語ろう!  ( Suy unukar an ro !)

# by atteruy21 | 2024-09-12 12:57 | Trackback | Comments(0)

【シヌタプカ】の語源を突き止める!(続きー26)
🟤 ヌタッ( Nutap )の語義を確定しようと前回にこのブログを閉じた。それは【シヌタプカ】という雅な地名の原義を知る上で是非とも必要な一里塚になるものと私が信じているからだ。

▽ アイヌ語の Nutapという言葉は、川の蛇行部の内側の土地の意 ?
...アイヌ語の辞典で「ヌタプ」の語を引いてみると、「川の蛇行部の内側の土地」などと何だか分かったような、それでもヤッパリ分からないような変な訳語に出くわす。
 🔺 でも、この訳(やく)は、その実態を正確に表した名訳とは到底のこと言えないものだと私は思うのだ。

▼ Nutap は「沼」と「泥地」の両義を表す ❓
...またぞろ、無責任なトンデモ語源説の登場だ !
 ◆ 川の蛇行部の内側の土地と言うのは、何かを語っているようで、実際には我々の脳髄に何のイメージも浮かばせない、意味のない言葉の羅列に過ぎない。

🔵 目に見える、イメージが浮かぶ言葉で語ろう !
...面白いサイトで考えて戴こう。「川の蛇行部に出来た三日月形の湖」とでも打ち込んで検索して戴きたい。
 62ー(3)久慈川の特徴的な地形 1)三日月湖(常陸太田市、那珂市)
 ...川の蛇行部の湾曲が大きくなって、上流側と下流側の湾曲部が接近すると、蛇行部を残し河道は直接に繋がるようになり、その結果、蛇行の部分が本川から分断され三日月形の湖沼が形成される。
 🔷 三日月湖は、河跡湖とも言い、いづれも旧河川の一部が湖沼となったものである。
 多くの釣りファンで賑わう常陸太田市栗原の釣り堀は、地元では「栗原の溜(たまり)」と呼ばれていて...以下、省略。
   (次回につづく . Suy unukar an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-09-11 17:31 | Trackback | Comments(0)

【シヌタプカ】の語源を突き止める!(続きー25)
池と沼の言葉の分水嶺〜その地図はご覧になっただろうか ?
 ネット検索で、わかり易い記事を見つけたので、もう一回池と沼の違いの噺をしたい。
🔻「池」と「沼」と「湖」の違いが説明できるとカッコいい
 ネットで moricrew編集部 と検索して戴くと、上記のような記事が目に飛び込んで来る。

△ 簡単に言うと、池は人工的に作られた水溜りのことを指します。
そして沼や湖は自然にできたものです。ただ、この説明だと「あれっ?」と思った方もいると思います。ダムって人工的に作られた水溜りの筈なのに、「ダム湖」って言ったりしますよね?

▲ これは人造湖と呼ばれるもので、池よりも大きいものを湖と言う呼び方をします。
 また、池は沼や湖と比べると小さく、水深5m以下のものを言います。つまり、ダムなどは水深5mより遥かに大きいものなので池という呼び方はせず、湖という呼び方をするんですね。

🔵 「あれっ?じゃあ沼は?」
 沼と湖の違いは水深で決まる。実は環境省は沼と湖の区別は厳密な定義は無いとしています。両者の一番の違いは深さにあります。
 沼と言うのは池と同じく水深5m以下の自然に出来た水溜りです。泥が多く、水草が水面全体に生えているものを沼と言います。
一方、水深が5mを超えると水草の生えない箇所が出てくるので、湖の特徴は水草の生えていない深い箇所があるという事です。

☆ 池と沼と湖と、今度こそ区別が付きましたね !
 次回こそヌタッの語義の確定に決着をつけよう !
   (次回につづく・Suy unukar an ro !)



# by atteruy21 | 2024-09-10 20:20 | Trackback | Comments(0)

【シヌタプカ】の語源を突き止める!(続きー24)
🔵 池と沼の呼称は、日本の東西で異なる !
‥‥わたしの住む千葉県は東日本に属するので、湖より小さい水溜りは『沼』と呼ばれる筈だ。
 そう言えば近くの我孫子に在る手賀沼も沼と言う名前がつくし、印旛沼(いんばぬま)という大きな沼もある。中学校で使った地図帳で池や沼が在るか見てみたのだが、そこには大きな池や沼は他に載ってはいなかった。

▽ 池と名の付く水面は幾つか在るのだが
 地図帳に載って居なくても、千葉県に池と呼ばれる水面が無いハズは無いので、ネット検索で調べてみた。
 調べてみると、どれも灌漑用や防災対策用に作られた人工池 !
 …坂田ヶ池(成田市) 江戸時代に灌漑用として作られた。坂田ヶ池(さかたがいけ)には洪水を防ぐために人柱にされたという悲しい母と子の物語が今に伝えられています。 (成田市ホームページより)

▼ その他の池
 雄蛇ケ池(おじゃがいけ)(東金市)
…江戸時代に干害対策として造成された。周囲約4.5kmの用水池。
 少し毛色の変わったところで、こんなのも有る。
 🟢 じゅん菜池(市川市)
 古くから在った国分沼というのが開拓などで無くなり、現代に市民の要望でじゅん菜の採れる水辺として復元されたものだと言う。昔の国分沼にはじゅん菜が多く繁茂していたらしい。
⭕ 次回はヌタの語源探しの話題に戻ろう。 (次回につづく・ Suy unukar an ro )

# by atteruy21 | 2024-09-09 11:32 | Trackback | Comments(0)