元々中国では、海藻を食用にするという習慣がなかったものと思われ、また、北海を主な棲息分布域とするコンブは、中国人にとって、それのみを意味する語彙は必要がなかったのである。(アイヌ民族から❓)交易で手に入れた海藻のコンブを、乾燥させて作ったのが漢方薬の「昆布」なのだが、何故、中国ではその薬材に「昆」と言う字と「布」という字を当てたのか。そこに借用関係の秘密が隠されているのだ。「昆 kun」は、「(子ども等の)数が多い」を原意とし、「布 bu 」は「布(ぬの)」の意味のほか「散在する・バラバラに散らばる・広がる」の意味がある。これを総合的に判断すると、昆 kun 子どもが殖えるように、と言う嘉字(めでたい言葉)と布 bu (海中に)萌え広がるものという語義を合成して「薬効のあるもの」の字に当てたのだと考えられる。