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アイヌ語と日本語は兄弟(同系)の言語か、それとも他人か-100

「アイヌ語と日本語は他人である!」ってホントなの?(その13)

 前回に「豊穣を悦(よろこ)び祝う言葉さえ失われたのである」と述べたが、誤解を避けるため正確な表現に改めよう。
「豊穣の悦びの言葉まで失った」と言った訳だが、それは農耕の面に限っての、言わば「大自然から無条件に、黙っていても与えられる穣(みの)りの悦びは失われた」という意味であって、生産に励みその成果を悦ぶ心情が失われたとまでは言った訳ではないことを念のため強調しておきたい。
 アイヌの古い言い伝えの中では、鮭(カムイ・チエプ)が大群をなし、正に川面(かわも)を盛り上げるように遡(さかのぼ)る姿を讃え、叙(じょ)して以下のように表現される。...「鮭は、川面を盛り上げるがごとくに群れ立ち、その上になったものは天日に背を焼かれ、下になったものは腹を川底の砂利に擦りつける」...ようにして、各地の大河や沢に押し寄せたものだという。遠く大洋を回遊し、懐かしい故郷の河や沢に、繁殖のために還ってきた鮭たちを迎えた、漁労と収獲の歓びが高らかに謳(うた)われているのである。野や原には、鹿その他の獣(けもの)たちが、アイヌたちの格好(かっこう=ちょうど良い)の獲物として数多く走り回っていたのである。現代で言う農作物や野菜等は勿論なかった訳だが、森には「栃の実」などがあり、女や子どもがその収穫の
担い手として活躍した。
 アイヌ民族は、もともと漁労の民だったと考えられるという。アイヌ民族というと、多くの人は、弓に矢を番(つが)え、獲物に狙いをつける雄々しい若者の姿をイメージするようだが、確かにそれはカッコいい姿なのだが、本当の、本来のアイヌの勇姿(?)
というのは、漁労に汗を流す男や女の姿だと言うのだ。そういう姿が、後の海外へ雄飛(?)する、交易に中国やシベリアまで進出
する、ユーカラ(yukar)に出てくる英雄たちの姿に繋がって行くのである。

 ちょうど百回目を迎えたこの回をもって、この「アイヌ語と日本語は兄弟か」のテーマは、一区切りとして休止したいと考えて
いる。長くこのブログを見て頂いた皆さんに感謝を申し上げたい。どなたからも、ただの一度も声がかからなかったのが、残念と
言えば残念なのだが、私の独り合点だったという事なのだろう。
 とは言え、私自身は、また別の機会には、改めてこのテーマを追究したいと未だ思っている。アイヌ語と日本語の関係を知るためには、その二つの言語だけでは真理に到達できないと考えているからである。沖縄方言(琉球語?)を知らねばならないし、隣の
韓国語(朝鮮語)の知識抜きには日本語の姿は見えてこないだろう。少しその辺りを勉強しないといけないと思っている。
  
 (追伸)折角立ち上げたブログなので、もう何回か私のアイヌ語とアイヌ民族に関わるの問題意識を述べて見たいと思う。
 私の大好きな、英雄阿弖流為(アテルイ)のことで、ちょっと聞いて欲しいことが有るのです。  (次回につづく)

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by atteruy21 | 2017-12-02 11:29 | Trackback(2) | Comments(0)