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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその41

習俗の中に見る「縄文」ー8  (通巻第345号)

 佐保姫は美人であったのか、醜女だったのか。実は佐保姫には姉妹がいるのだ。名は竜田姫(たつたひめ)という。佐保姫が春の女神であるのに対し、竜田姫は秋を司る神である。竜田姫は織物の名手で、美しい竜田山の秋の紅葉は、姫の手で織り成されるという伝説がある。一方、(多分)姉である佐保姫の方は、春の女神で春霞(はるがすみ)はこの神が織り出すと考えられた。
 二人の女神は美しかったのか、直接の言及は無いのだが、美しい織物を紡ぎ出す名手は、やはり美しいと考えるのが自然なのだろう。アイヌ民族のユーカラなどに描かれる女性や女神も、織物ならぬ美しい刺繍の名手が多いのだが、皆、美人であるとされている。なお、竜田姫も佐保姫がそうであるように、竜田山(立田山とも言う)の神であり。竜田山の側には竜田川が流れている。

...同じ山の神であっても、マタギ逹の世界の「山の神」と佐保姫や竜田姫とでは、ずいぶん雰囲気が違う。私は、マタギの山の神が元々の古い姿の神であり、言わば「縄文の女神」なのだと思う。前に母権社会の話をした時に述べた強い女性、しなやかで、したたかな母系社会の女丈夫(おんなじょうぶ)が、この「山の神」の原型になったのだろうと思っている。ただし、マタギの世界の山の神は不美人の典型とされているようだが、これは男社会の後の世の偏見に毒された女性観に基づくもので、母系社会の女丈夫、アイヌ語で言う「 katkemat 」は決して不美人なのではなく、ただ、男逹にとっては、ちょっと恐くて煙たい存在であったに過ぎないのである。

...縄文の女性たちのしなやかな強さへの畏敬の念は、後世の大和の人々の女性観からは薄れて行き、「たをやかな」女神たちが替わって物語や歌謡の主人公になって行く。狩猟・採取を基本とする社会から農耕社会へ、縄文文化から弥生文化へ、そして権力者を産み出す社会への「進歩」が、女神の性格の変化をもたらしたのである。

...ところで、何かと言うと縄文語を持ち出す、その根拠の無い決めつけに辟易(へきえき)している方も有るかも知れない。縄文語ということで登場する語彙も、殆どがアイヌ語そのものであったり、アイヌ語もどきの言葉であったりと。ここらで、縄文語の証明をしておかないと、このブログも、誰からも相手にされなくなってしまう恐れがある。
 日本語(の古語)とアイヌ語に共通する、先行する何らかの言葉が無いと、縄文語を想定しないと説明がつかないような言葉を、ひとつ皆さんの目の前に、手品よろしくパッと出して見せないといけないのではないかと、そう思うのである。

 次回は、そんな言葉を取り出して見せようではないか。  (次回につづく)

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by atteruy21 | 2018-08-12 13:45 | Trackback(3) | Comments(0)