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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその146

生産活動に見る縄文と弥生ー99 (通巻第450号)
 盆踊りには、時代と地方により大きな性格の違い、在りようの違いがあったようだ。踊りの場の雰囲気や、そこに集まってくる人々の種類も時間帯によって異なるということも希ではない。
 現代日本の標準的な盆踊りでは、お寺の境内(けいだい)やら小学校の校庭などの広場を使って、そこに櫓(やぐら)を組み、その櫓を中心に人々が輪をつくって踊るというのが一般的な形態だろう。私の子どもの頃の千葉県の盆踊りでは、「東京音頭」などの賑(にぎ)やかな曲を大音量のスピーカーで流し、それに合わせて、只(ただ)みんなで踊るだけだったのを憶えている。それでも、年若い娘さんたちが、子どもにとっては「綺麗なお姉ちゃん」たちが、華やかな色合いの浴衣(ゆかた)をまとい、微笑みつつ踊るその姿は、子どもである私にさえ胸をときめかせるに十分な、艶(あで)やかな色気があった。だが、盆踊りというのは、こういう子どもにも分かる明るく華やかな表(おもて)の側面の他に、密(ひそ)やかな裏の顔が有るのであり、大人(おとな)の時間帯が有るのである。

▽ 越中八尾という地方都市に、「おわら風(かぜ)の盆」という大人の盆踊りが有るのはご存じだろうか。賑やかな「盆踊り」の対極に位置を占める、しっとりとした情緒(じょうしょ=じょうちょ)を醸(かも)す、「大人の盆踊り」と言われている。
 風の盆は、普通の人々が深い眠りに就く真夜中から明け方にかけての時間に最高潮に達する。三味線のような胡弓(こきゅう)という楽器を奏(かな)でながら、踊る人々はしずしずと進んで行く。踊る人々は、目深(まぶか)に編み笠を被り、人と視線を交わすこともなく、言葉も交わさない。それが、古い形のこの風習の姿だったと考えられている。

▼ この異形(いぎょう)の踊り手たちの姿は、いったい何を、何者を表し意味しているのか。ここでは、「踊り手」、芝居で言えば演者たちは異界から来たもの、つまり死者や先祖の霊、山や森の精霊たちを演じているのである。死者やもろもろの精霊たちは何をしにこの世界へやって来るのか。もちろん、生者たちと交流・交歓して作物の豊穣を祝い、生者たちと交わって(生殖して)
子どもをつくり、村落の永遠の存続を図る為である。

◎ 古代の人々は、盆踊りのような風習を通じて、村落の構成員全体の遺伝子レベルの健康保持を、それと意識せずに何気なく、
それとなく感じ取り、健康な子孫を得るという社会的に有用な対策として実施していたのである。何を言っているのか分からないという方が大半だろう。次回以降でその辺を語ることにしよう。古代に於ける婚姻制度の在り方にも繋がる、社会に於ける人間関係の、有り体(ありてい)に言えば「性関係」の規制と、逆にそれを自由にする傾向とのせめぎ合いの話である。乞う、ご期待。
   (次回につづく)

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by atteruy21 | 2018-11-28 11:07 | Trackback(2) | Comments(0)