いま私たちは、「 tan 」や「 tap 」という言葉の源郷を探し求める長い旅を続けている。遠くに霞んでいたこれらの言葉が、少しずつ、くっきりとその姿を現し始めた所だと思う。旅には、「何処か遠くへ行きたい」という歌の文句のように、知らない町をさ迷うという楽しみ方も有るようだが、より楽しい旅に、有益なものをより多く得る旅にするためには、目的地の事前の調査も
必要だろう。その土地の魅力の在り処(ありか)を知り、早くそこに行ってみたいと思うことが、歩き疲れ痛み始めた脚を癒すことにもなるのだろう。一歩一歩「 tan 」や「 tap 」に向かって歩を進める態度も大切だが、飛行機にでも乗って、一足飛びに目的地に向かい、上空から周辺を見回してみるのも、一つの上手なやり方なのかも知れない。高みからの視点が、今は途切れ途切れに見える道の痕跡・点を、一本の連なった線をなす路(みち)として我々の眼前に浮かび上がらせてくれるかも知れないからである。
▽ 「 tan ・ tap 」と言う語の実際の使用例を辞典により観察してみよう。どんな意味合いで使われるのか。中川辞典で。
取り上げる言葉は、取り敢えず tan 、tanpe 、tap 、tapne の4語としたい。多くの重要な視点を提供してくれるのである。
...タン tan 【連体】①この ; 眼前にあるものを指す。②物語中の用法として、目の前にいる相手に呼びかける場合に用いる。