「働く=目立つ大きな動きをする」と言う比較的新らしく出来たと思われる大和言葉の原義の追究の過程で、比較したアイヌ語の語彙の中の「 pat ↔ tap 」と言う、互いに変移し転位し合う可能性、そんな可能性の存在を示す特殊な関係が、バッタと言う昆虫の仲介で明らかになった。
▽ そこで気が付いて頂きたいのは、この pat と tap の間に音位転倒の関係が存在すると言うことは、つまり、 pat と tap と言う一見二つに見える言葉が、実は二つの語彙などではなくて、語彙の内部で互いに音の位置を転倒しただけの、一語彙の二つの側面に過ぎないのだということ、そこに、そういう事実に眼を向けないといけないと言うことでもあるのだ。