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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその430

縄文語のかけらーその49 (通巻第734号)
 「はやち(疾風=はやて)も龍の吹かするなり」と竹取物語は言う。風と言うものは龍が吹かすのだと。ところで、風と言う自然現象を古代の列島人は何と呼んだのか。アイヌ語では「 rera レラ 」と言うのが一般的だ。だが、そのアイヌ語でも、果たして「 風、即ち rera 」と言い切れるのだろうか。ユーカラ等では、暴風、烈風を指して「 kamuy maw カムイ・マウ」と言う。

▽ この「 maw 」という言葉は、私は日本列島の古い時代の「風(かぜ)」という言葉であったのではないか、そう思っている。
現代アイヌ語の「 rera 」よりも由緒のある、言わば「縄文の言葉」なのだと。
...そうは言っても、誰もが納得する根拠らしきものの一つや二つは挙げて置かないと、素人の戯言として黙殺されかねない。

▼ 現代アイヌ語の辞典で、「 maw 」という言葉の位置付けを確認してみよう。
《萱野辞典》
...マウ/マウェ(ヘ)【 maw / mawe(he) ①空気、風。 ②湯気。 ③熱。 ④運。
《中川辞典》
...マウ ,-ウェ maw ,-e 【名詞】風。息。空気。
 類義語の「レラ rera 」が自然に起こる風であるのに対して、「マウ maw 」は鳥の羽ばたき、誰かの息などのように人為的に起こされた風を指す。...転じてカムイの恩恵のようにも用いられる。

◎ 私が特に注目した中川氏の正しい見解は、「 maw 」という言葉が「神の恩恵」の意味で用いられるという点である。これは、大和言葉の幣(まひ)という言葉に繋がる極めて重要な語彙であるが、その事に就いてはあとで詳述する。
...幣(まひ)という言葉の説明の前に、やはり「 maw マウ 」という音の正確な原意の解析をして置くことが先ず第一だろう。

☆ それは「息、息吹き(いぶき)」という事である。アイヌ民族の古謡のウポポにその原意を探索してみよう。
...cupka wa kamuy ran   iwa-ni tek-ka o-rew
 東の方から カムイが降りた アオダモの木の枝に とまった
iwa tuysam tekka e-tanne maw a-nu .
 山の外れの 木の枝に 汝の長き息吹きを 我は聴く

★ ウポポは輪唱で歌われる。そのハーモニー(和音)が神秘な雰囲気を醸し出す。この曲は、カムイが梟の姿に扮装してアイヌの世界を訪れると歌っているのである。「 maw ・まひ(幣) 」の驚異の展開は、次回の楽しみという事にしよう。
   (次回につづく)

Tracked from roblox music.. at 2022-06-15 19:08
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Tracked from roblox id at 2022-06-15 19:13
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Commented by AntonioCek at 2021-12-27 07:51 x
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by atteruy21 | 2019-09-09 13:47 | Trackback(2) | Comments(1)