人気ブログランキング |

アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその513

縄文語のかけらーその132 (通巻第817号)
 
 武藏の古い読み方(発音)は、「むざし」であったと言う。私は武藏の最も古い発音は、「ムン・ザシ」か「ムウ・サシ」の何れかだと思っている。その原意を探り、その語形の変化の秘密を突き止めるのは古アイヌ語や縄文語との関連を含め、相当の準備が必要となるので、いきなりその堅城(けんじょう)を抜こうとするのは危険であり得策でもない。

▽ 相模の語意の探索の時と同じように、宛てられた漢字の意味の確認から「武藏」の意味を知ることの方が、或いは安全であり賢いやり方なのかも知れない。
...「武+蔵」の2字の組み合わせは、中国語ではどんな意味を醸(かも)すのか。「武藏」は、大和言葉の音(おん)に宛てた宛字であるから、中国語自体には「武蔵」と言う熟語は無い。武という字と蔵という字が、それぞれに、どんな意味を持っているのかを調べた上で、それを総合して得られる新たな意味が導き出せるかと言うこと、それが問題である訳である。

▼ 蔵の方から始めよう。武藏の意味の中核は、この「蔵」の方に在ると思われるからである。
...「蔵」には二通りの発音と意味がある。複雑に絡み合って語群を形成しているので、両方とも紹介しよう。
 蔵...cang ツアング ①【動詞】隠れる。隠す。《例文》他蔵在樹后頭 彼は木の後ろに隠れる。
 ②【動詞】貯蔵する。しまう。

◎ 蔵...zang ザング ①物を保管・貯蔵する場所。蔵。 ②仏教・道教の経典の総称。《関連語》三蔵...仏教の経典の経・律・論の3部分。 ③【名詞】西蔵...チベット。 ④チベット族。

☆ 「蔵・ cang ,zang 」の意味合いは貴方の脳髄に像を結んだだろうか。二つの発音に共通し、この「蔵」という字の中核を形成する語意を、貴方は把握出来ただろうか。
...私は「蔵」の字義は、「奥深い所に隠された」に在ると考える。もっと端的に言えば、「山奥(やまおく)」が原初の語義だと推定する。例えばそれは「西蔵シー・ザング(=チベット)」という国名・地名がその事を証明する。

★ ヒマラヤ山脈の、山の奥深くチベット高原は存在する。特に古代には、チベットは人跡未踏と言っても良いほどの辺縁の地であった。外界からの人の交通も殆ど無く、チベットの人々は孤立した秘密のベールに包まれた社会を形成していたのである。

...武藏の「蔵・サシ」の字は、山奥の閉ざされた土地を意味する。ただ、それは否定的な意味合いを持つものではない。
  (次回につづく)

トラックバックURL : https://urespa21.exblog.jp/tb/30927229
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
名前
URL
削除用パスワード
by atteruy21 | 2019-12-01 16:37 | Trackback | Comments(0)