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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその515

縄文語のかけらーその134 (通巻第819号)
 武藏の「蔵」という字が、「ツアング」ないし「ザング」と読まれたらしいと言うことが分かって、新たな可能性が見えて来た。それによって、和語の「むさし」ないしは「むざし」という言葉の「む」に何故「武」の字が用いられたのかが分かるのである。

▽ 「むざしの地」は、「何者かに覆われた~」という文脈で語られ、「蔵」の字も用いられた...と私は前回に述べた。そして、その何者かに覆われたと言うが、その「何者か」というのは、いったい何者だと言うのか...と。
...私は、それは「 mun ・ムン=草木 」であると考える。草や木に覆われたジャングル地帯、それが「むさし・むざし」の原意であると。

▼ そこで考えに入れて頂きたい幾つかの大和言葉がある。
...「む・さし」(形・ク) 汚い。不潔である。卑しい。
 実は、これは「むさ苦しい」などに連なる荒れた状態を指すのだが、それが、所構わず草木が繁茂し延び広がる「武藏の地」の例えになる訳である。併せて、後の世に新興の武士達を卑しめ「武者(むさ)苦しい」という表現を生んだ。「武者(むさ)」というのは大和言葉の「むさ」に宛てた宛字であって、漢語には「武者( wu-zhe ウーチェ) 」の語は存在しない。

◎ 「むさ」に限らず「むざ」の方も関連語を見て置こう。
...「むざん」[無惨・無慚](名・形動ナリ) ①《仏教用語》罪を犯しても恥じないこと。
  ②乱暴であること。残酷であること。 ③痛ましいさま。気の毒である。哀れである。
...「むざと」(副詞) 「むさと」とも。
  ①みだりに。やたらに。また、無造作に。
《例文》「兵(つはもの)どもは麁相(そさう)すな、むさと鉄砲放すな。」(浄瑠璃・国性爺合戦)
《現代語訳》兵たちよ、あやまちするな。むやみに発砲するな。

☆ 勢いよく野山に萌え広がる艸木の有り様を「むさし」と形容し、荒くれた武士達を「むさ(武者)」と呼んだ。
...「むさし・むざし」と呼ばれた地に、「武蔵」と言う漢字を大和びとが割り振った必然性が、今は貴方の胃の腑にスッキリと落ちただろうか。

★ 武藏の武(む)は、草木のムン・mun の音(おん)が語源だろう。それはアイヌ語では「 mun ・ムン 」と言うからである。但しアイヌ語では一般的に草のことを kina と言い、これは薬草などの役立つ植物を言う。 mun と言うのは薬草のようには扱われなかった、雑草・雑木に付けられた名である。次回でムンからムイへの変化の道筋を語ろう。  (次回につづく)

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by atteruy21 | 2019-12-03 14:50 | Trackback | Comments(0)