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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその528

縄文語のかけらーその147 (通巻第832号)

 アイヌ語の horak (ホラク )に関連が有るかも知れないと言うことで、日本語の「ホロブ(滅ぶ)」を比較対象として取り上げようと思う。比較する両語の音(おと)の響きが幾分か異なることは、この際、目を瞑(つぶ)って頂こう。

▽ 古語辞典 「ほろ・ぶ」
 ほろ・ぶ 【亡ぶ・滅ぶ】(自バ上二) ①なくなる。絶える。消え去る。
 ②滅亡する。《例文》猛(たけ)き者も遂(つひ)には滅びぬ 偏(ひとへ)に風の前の塵に同じ (平家物語・祇園精舎)
 《現代語訳》勇猛な者も結局は滅んでしまう。まったく風の前の塵(ちり)に等しい。
 ③落ちぶれる。廃(すた)れる。

▼ 古い東国方言の「ほろく・ほろぐ」を見る前に、名詞の「ぼろ(襤褸)」を見て置こう。襤褸切れなどの「ボロ」である。
...ぼろ【襤褸】①使い古して役に立たなくなった布。ぼろきれ。つづれ。 ②つぎはぎの(汚ならしい)衣服。
 ③みっともない欠点・失敗。《例文》ボロを出す。

◎ 「ほろく」や「ほろぐ」は古くからの東国方言なのだが、庶民の使う口語表現であるから、古語辞典などには出てこない。
 そこで、インターネット検索の『 weblio 辞書 』を覗いてみた。それを覗いていて分かったのだが、「ほろく・ほろぐ」の他、「ほろ~(ナントカ)」という形で使われる言葉というのは、何も東国の専売特許ではなくて、西日本各地の方言にも数多いという事実だった。
...何と、兵庫県や四国・高松地方の言葉など幾つかの地域に、「 horse ホロセ 」に近い、イヤ、そのものズバリの「ほろせ」と言う言葉が、病気の名前として有ると言う事が分かった。たまたま音が似ているだけかも知れないが、頭の片隅に入れて置いても罰(バチ)は当たらないだろう。折りが有ったら分析に取り組んでみたいと思う。

☆ 「ほろせ」=蕁麻疹 「ほろし」とも。
...蚤や蚊に血を吸われて、皮膚が膨れ上がった状態。「ほろし」の訛(なま)り...一種の蕁麻疹。 ...とある。
 これだと、アイヌ語の「 horse 」=「(腐って)膨れる」に一脈通ずる所が有るのだが...。

★ 肝心の「ほろぐ・ほろく」は、また次回へと繰延になった。反省してます。
   (次回につづく)

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by atteruy21 | 2019-12-16 11:01 | Trackback(2) | Comments(0)