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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその531

縄文語のかけらーその150 (通巻第835号)

 武蔵(むさし)の語源は、現代のアイヌ語にも通ずる「 mun-sas-i =艸木(くさき)の・繁茂する・所 」である。そう私は考えている。

▽ 萬葉集の幾つかの歌を取り上げた中で明らかにしたように、武蔵の地に対する当時の人々の印象、様々な木が縦横に枝を拡げ、名も無い草々が萌え広がる大地、そんなイメージをこの地名は背負っていると思うのだ。

...実は、私がこの語源解釈に至った理由は、アイヌの女性の名に「 mun-sas ムイサシ 」さんというのが有ったからである。
 どなたの著書であったか記憶が定かでなく、これが証拠ですよと皆さんにお示し出来ないのが残念なのだが...。

▼ この「ムイサシさん」という名は、草木の美しく萌え広がる様を讃えた美称だと私は思う。仮に日本の女性名に置き換えるとすれば、「緑さん」とか「お茂(しげ)さん」辺りになろうか。ただ、「お茂さん」だとお婆ちゃんのイメージになってしまうので、思いきって現代風に「萌(もえ)さん」辺(あた)りが良いか。爽やかな強い女性のイメージがある。

◎ このブログにごく最近になって訪問された方も少なくないので、何故「 mun-sas ムンサシ 」となるべき所が「ムイサシ」と発音が変わってしまうのか、その説明をして置こう。
...実は、それにはアイヌ語の特徴と言うか発音の癖(くせ)が関わっているのだ。アイヌ語には言葉の音韻変化の法則が有って、
子音の「 n ・エヌ 」のすぐ後(あと)に子音の「 s ・エス 」が続くと、その n の音(おん)が y に変わってしまうという、発音上の癖が有るのである。一つだけ例を挙げよう。

☆ 【 pon seta 仔犬 】という言葉がある。これは、「 pon (小さい)+ seta (犬) 」という構成で出来上がった言葉なのだが、これを一語で仔犬と言う場合には「 poy-seta ポイセタ 」という発音になるのだ。
...だから、【 mun 草木の・ sas 生い茂った 】と言う語が「ムン・サシ」と発音されずに【 muy・sas ムイサシ 】と発音されるという訳である。

★ ところで、武蔵の国は、或いは武蔵野の地は、古くは「むざし muzasi 」と発音されていたと言われる。何故「ムイサシ」でなく、「ムザシ」なのか。次回以降の何回かでその音韻変化の秘密を解き明かそう。アイヌ語の癖とほぼ同一の、大和言葉の発音上の癖の問題が横たわっているのである。どんな悪い癖か、次回をお楽しみに。
   (次回につづく)

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by atteruy21 | 2019-12-19 10:06 | Trackback(4) | Comments(0)