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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその602

縄文語のかけらーその221 (通巻第906号)
 いま、縄文の昔に遡るかも知れない古い言葉の痕跡を残す、そんな地名を探す旅を続けている。このブログを書き始めた頃に、
アイヌ語で解釈する事も可能な筑紫野(ちくしの)と言う九州地方の地名を取り上げた事がある。
...それはアイヌ語で「 ci-kus-nup ・チクシヌッ = 誰もが通る野原 」と解釈ができるし、しかも筑紫野の古名が、つまり古い読み方が「ちくしぬ」なのだから、これはもう間違いが無いのだと、そう自慢したものだった。

▽ その事の真偽はともかく、北海道や東北に限らずアイヌ語で説明することも可能な地名が、中国や四国、九州地方にまで散見されるのは不思議と言えば不思議である。
...古い言葉を尋ねて遠い地方に出掛ける旅もいいが、ふと私の胸に「何も遠路はるばるの旅をしなくても、そういう自分自身の足下に、古い言葉の宝庫が眠っているのではないか、そんな想いが浮かんだのである。

▼ 地元の地名に先ず眼を遣(や)ってみよう。私の住む千葉県松戸市に和名ヶ谷(わながや)と言う地名がある。この地名の詳しい詮索には折りが有れば取り組みたいが、今は「~が谷」と言う地名が関東地方に極めて多いという点に注意を向けたいと思う。
...東京の世田谷(せたがや)、雑司ヶ谷、千駄ヶ谷を始め、埼玉では鳩ヶ谷、越谷(こしがや)など、「~がや(ヶ谷)」と名のつく地名が極めて多いのである。

◎ 一方、南関東の千葉や神奈川では、同じく谷間(たにあい)や湿地帯を表すと見られる地名には、「や(谷)」ではなく少し形を変えて「やつ=谷津」が用いられる。
...千葉県には「谷津(やつ)」という地名がある。私が子どもの頃、そこには谷津遊園(やつ・ゆうえん)という遊園地があって、遠足で行った事があった。
...神奈川県の鎌倉に不思議な地名が残っている。「扇ヶ谷」と、こう書いて、これで「おうぎ・が・やつ」と読むのだが、これが千葉県の「谷津(やつ)」と共に、縄文の古い言葉の響きを伝えるものだと私は考えるのである。

☆ 遡(さかのぼ)って、「せたがや」だの「こしがや」だの「わながや」だのの地名は、ひょっとして、それぞれ古くは「せた・が・やつ」とか「こし・が・やつ」、また「わな・が・やつ」と呼ばれていたのではないか。

★ 特別な地形を示す古い言葉に「谷戸(やと)」と言う言葉がある。インターネット検索で見てみよう。
...谷戸(やと)とは、丘陵地が浸食されて形成された谷状の地形、また、そのような地形を利用した...以下、次回に。

    (次回につづく)

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by atteruy21 | 2020-02-29 11:16 | Trackback | Comments(0)