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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその626

縄文語のかけらーその245 (通巻第930号)
 法度(はっと)という言葉は、普通に考えられるような漢語由来のものではなくて、日本列島の古くからの住人の間で生まれた固有の「 はっ・ hat 」という言葉に、似た意味を持つ漢字を当てて成立したものではないか。...それが私の基本的な考え方である。
▽ アイヌ語に「 hattoho an =禁止する 」と言う成語が有る。実は、この成語の存在こそが私の法度起源論の土台を支えるものなのである。アイヌ語の「 hattoho an 」と言う語句が、日本語の「法度(はっと)」と言う言葉を借用して出来上がったと考えるのは、物の道理に合わない、理屈が通らないのである。借用するにも借用には法則が有るのである。これから、それを証明して行く訳だが、長い道程(みちのり)になるので、一歩づつ進んで行こう。

▼ 外来の文化や言語を採り入れる場合、例えば言葉を取り入れるとき、物や事柄の名詞は最も採り入れ易い。「 hatto 」と言う言葉に即して言えば、法度(=禁令)は名詞であるから、借用しやすいのだが、「禁止する」と言う動詞になると、そう簡単にオイソレとは取り入れにくいのである。脳の言語野の働きが、名詞の置き換えは比較的簡単に出来ても、動詞をうまく置き換え使いこなすことには向いていないと言う事であるらしい。世界のどの民族にも共通の傾向のようなのだ。
...名詞にしても「 hattoho an 」の「 hatto-ho 」のように、わざわざ所謂(いわゆる)「所属形」の形にして取り入れるようなやり方は例を見ないし、名詞と動詞の複合語句は一纏まりの借用語とはなり得ないのである。

◎ この事は改めて詳述するが、先ず「 hattoho an = 禁止する 」の分析から始めよう。大和言葉では、「禁止する」を漢語ではなく大和言葉で言うと何と言うだろうか。
...禁(いさ)む ←「イサム」は、手で行く手を遮(さえぎ)って相手を制止すること...

☆ 古語辞典 いさむ  * いさむ 【禁む】禁止する。
《例文》伊勢物語 七十一 ...昔、をとこ、伊勢の齋宮に、内の御使にてまいれりければ、かの宮にすきごと言ひける女、
わたくしごとにて...ちはやぶる 神の齋垣(いがき)も 越えぬべし 大宮人の 見まく欲しさに
 をとこ、...戀(こひ)しくは 来ても見よかし ちはやぶる 神の禁むる 道ならなくに
《現代語》昔、ある男(在原業平)が伊勢の齋宮(いつきのみや)に、帝の使いとして参ったところ、その斎宮で好色な噺をしていた女が、齋宮の女房としてでなく、その女一個人として、(自分の気持ちを歌にしてこう詠んだ)
 ...聖なる神の神社の垣根さえ越えて、外へ出て行ってしまいそうよ。宮中にお仕えする方(業平)が見たいばかりに...
...それに対し男が、「恋しければ、やって来て逢いなさいよ。男女の仲は聖なる神の禁止することではないものを...。

★ 平安時代一のプレイボーイ・在原業平の魅力に魂を奪われた斎宮の女房...まあ、そんな噺である。
...寄り道したが、次回は法度の詮索に邁進したい。   (次回につづく)


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by atteruy21 | 2020-03-24 14:30 | Trackback | Comments(0)