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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその643

縄文語のかけらーその262 (通巻第947号)
 短歌の「美しいリズム」と言う噺の途中なのだが、やはり説明して置いた方が理解を得やすいと思い直したので、前回に紹介をした八重子の歌集「若きウタリに」の第十章の題名、【カムイサシニ ユーカラカムイ】の意味に触れて置こう。

* 【カムイサシニ・ユーカラカムイ】とは...バチェラー八重子さんの註
...註 カムイサシニは、神より出(い)でたる子孫、神の胤(たね)の意。ユーカラカムイは、謡い物の英雄のたたへ名、詞曲神の意。

▽ 私の蛇足の註...カムイサシニ
...「カムイサシニは神より出でたる子孫」、八重子さんのこの説明に尽きるのだが、そこは知ったかぶりの悪癖の私としては、特に若い読者の方に理解して頂きたい、その一心で補足の説明を敢えてさせて頂きたい。

▼ 中川辞典(千歳方言)では、サシニの項があるので先ず見てみよう。
...サシニ sasini 【名詞】子孫。
 《例文》 Sinutapka ta / kamuy sasini / e=ne wa e=an シヌタプカの神の子孫で、お前はあるのだ

◎ 萱野辞典には「サシニ」の項目は無く、語尾を少し変えて「カムイ・サシミ」と言う形で登場する。この言葉は「サシニ」と言う言葉の語源を探る上でのヒントになる貴重な観念を含んでいると考えられるので、少し長くなるが引用しよう。
...(カムイ)サシミ【 kamuy sasimi 】授かり子。
 カムイサシミ アナクネ ノオカ ポニ(ポンヒ) ワノ ピリカ カ ソモプ ネ チマウシ ネヤ ネユンネユン ア・エシシノ
 オカイペ ネ クス ア・エヤム ペ ネ

☆ 神の授かり子というものは、それほど小さい時から良い格好でもなく、瘡蓋(かさぶた)だらけとか人が避けるような姿をしているものなので、(そういう子は)大切にするものだ。
...日本の民話の【はな垂れ小僧樣】の観念にも通じる、我々に幸いをもたらす子供に対する見方、授かり物の観念がこの語彙の最も重要な観念である。

★ 単に無味乾燥の「子孫」という意味に止まらず、サシニ(サシミ ?)に込められた深い意味合いの探索は、次回に回すしか無さそうだ。
    (次回につづく)

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by atteruy21 | 2020-04-10 12:14 | Trackback(2) | Comments(0)