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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその1388

縄文語のかけらーその1008 (通巻第1692号)
 アイヌ語の【 iso 】が「豊猟」を意味するのか、それとも「獲物」のことを言うのか、二つの意味合いの境界と言うか間(はざま)と言うか、その見極めは極めて難しい。困った時、悩んだときは、やはり原点に帰ってアイヌ語の古典文学「ユカラ」の世界に戻って、そこから又、歩みだそう。
 
 ⭕ 知里幸惠(ちり・ゆきえ)・「アイヌ神謡集」から ~狐が自ら歌った謡「トワトワト」より抜粋
...armoysam ta humpe yan wa aynupitoutar usiyakko turpa kane
 海辺に鯨が寄り上がって 人間たちがみんな盛装して
  iso-etapkar iso erimse ica-utar irura-utar u-tasatasa
 海幸をば喜び舞い 海幸をば喜び躍り 肉を切るもの運ぶ者が行き交って
  nispa-utar  iso-e-onkami-p emus ruykep armoysama kokunnatara ,
 重立った人たちは 海幸をば謝し拝む者 刀をとぐ者など浜いっぱいに黒く見えます。(以下、省略)

▽ 知里幸惠さんの補注
...(1) isoeonkami   iso は海幸(うみさち)、eonkami は、「~を謝す事」
 🔷 鯨が岸で打ち上げられるのは、海の大神様が人間に下さる為に御自分で持って来て、岸へ打ち上げて下さるものだと信じて、その時は必ず重立った人が盛装して沖の方を向いて礼拝をします。

▼ ゆかしい言葉【海幸】 ~ それは「豊漁」を意味する ‼
...皆さんの中には、小さい頃に「海幸彦と山幸彦」の物語を絵本などで読んだ事のある方がいらっしゃるかも知れない。イヤ、もう若い方には聞いたことも無いと言う方(かた)の方(ほう)が多いかも知れない。。
 🔺 海幸と言うのは、ここでは「豊漁」つまり「海産物の恵み」を指した言葉で、海幸彦と言うのは、神に祝福されて海の幸を享受(きょうじゅ)する神人の意味になるのだ。

◎ 【海幸】は「豊かな海の恵み」のこと ❗ 古くは、豊漁をもたらす「優れた漁労道具」のことを指した ‼
...海幸彦山幸彦の物語を知らない方の為に、ちょっとだけ解説してしまおう。
 🌀 このお話は、海幸と山幸がお互いに持っている生産道具(山の猟に使う弓や槍、漁労に使う網や釣り針)を交換して、どちらが沢山の獲物や漁果を得られるかを争うと言う噺なのだ。
 次回は、この噺の補足説明をして、そのあと本題の「 sumawe 」の噺をしよう。
    (次回につづく)

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by atteruy21 | 2022-05-02 10:21 | Trackback(4942) | Comments(0)