人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその1393

縄文語のかけらーその1013 (通巻第1697号)
 🔶 アイヌ神謡集・梟の神の自ら歌った謡 (私の試訳)
...今、カムイの恩恵を受ける人の資格、資質の話をしている。最後の語り部の知里幸惠さんの解説を皆さんに見て頂く所に来たのだが、幸惠さんの解説を理解して頂く為にも、前回紹介した物語のアイヌ語の言葉の意味を、アイヌ語の原文に即して逐語訳をしておいた方が皆さんには分かり易いだろうと思った。

▽ 前回の部分の逐語訳
...Kotankor Kamuy pase kamuy 郷を持つカムイ 重き(神格の高い)神
  mawko-wen-as ruwe 不運なる我らの様を ( mawko wen =運が・悪い) ( ruwe =~すること・~である様子)
  ci-erampoken un-ekarkar 憐れみを 我らに垂れたまい 
  ( ci- ~ 不定用法 英語で言えば to 不定詞 ...~すること。この用法は、直ぐあとに行為の主体と客体が表示される)
  ( erampoken ← e-ram-poki-wen =~を気の毒に思う・~を哀れむ)
  ( un-ekarkar = 我に・~する) 結局、文全体では「我らに憐れみを垂れたまい」の意味となる。
  cikasnukar nakka sipase ike  そのお恵みにしても 真に大なるものを
  a-un-ekarkar ki-ruwe-okay   (神は)我らに下し給ふた 然る様子がある
  ari okaype cis-turano eonkami と云う事を、泣きながら( cis turano 泣き・と共に)祈りの言葉を述べた

▼ kasnukar と云うこと
...知里幸惠さんは、補註の中でこの言葉をこう解説して居られる。
 ⭕ 梟の神の自ら歌った謡 補註(10)
 ci-kasnukar 神が大へん気に入った人間のある時、ちっとも思いがけない所へ、その人間に何か大きな幸を恵与すると、その人は i-kasnukar-an 「(カムイが)私に目をかけて下すった」と云って喜びます。

◎ kasnukar を分析すると...
...カムイが気に入った人に猟運などの恩恵を与えることを、アイヌ語では「 kasnukar ・カシ-ヌカラ 」と言う。
 🔷 この言葉を分析すると、恐らくそれは「 kasi (~の上)」+「 nukar (~を注視する)」という観念でせいりつした言葉であろう。
 カムイが、天上から、遥か高みから人間(アイヌ)を見まもり、必要に応じて幸いをもたらし、時に、人の困難な状況では、人の行いが成就するよう、助けの手を差しのべてくれるのだと。
     (次回につづく)

名前
URL
削除用パスワード
by atteruy21 | 2022-05-07 11:47 | Trackback(2) | Comments(0)