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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその1399

縄文語のかけらーその1019 (通巻第1703号)

 「客人(まろうど)」の語源に【まれびと(稀人)】の観念を充てたのは、民俗学者の折口信夫(おりくち・しのぶ)であった。
⭕ 1929年(昭和4年)、折口は初めて客人(まろうど)の語源に「稀に異界からこの世を訪れる神」の義を与え、客人(まろうど)の語源を「まれびと=稀人」であるとその著書で主張したのである。

▽ 実際の言葉の変化の流れを逆転させた折口信夫 ❗
...折口説を、尾ひれを付けずに単純化して言うと、客人(まろうど)と言う言葉は、まず初めに「まれびと = 稀人」と言う言葉があって、理由は分からないが「まらひと」という語形に変化し、さらにその「まらひと」にウ音便が作用して「マラウト」へと変化したのだと言うことになる。
 🔺 実際は一番最後に出来上がった言葉である「稀人」が、なぜ「客人(まろうど)」と言う古い言葉の、その語源にまで祭り上げられたのか。

▼ 昭和4年生まれの【稀人】と言う言葉が、なぜ「まろうど(客人)」のご先祖様に ❓
...くどいようで恐縮だが、「稀人=マレビト」と言う言葉は飽(あ)くまでも折口信夫の造語であり、折口独自の観念に過ぎない。ここの所を勘違いしてしまうと、とんでもない誤解に陥ってしまうのだ。
 🔷 折口が稀人説を提唱するまでは、「稀人」という言葉も、その元になった観念も存在しなかった。恐らく、古い大和言葉の「客人(まらうど)」という音は、語源の不明な不思議な語彙として国学者たちもお手上げの状態だったのだろう。

◎ 折口信夫の偉大な功績
...「まらうど(客人)」という出自不明の言葉に初めて分析のメスを入れたのは、民俗学者の折口信夫だった。折口は、古事記や日本書紀などの日本の古典を深く読み込み、そこに「時を定めて他界(異界)から来訪する神人」という共通の観念を抽出し、それに「稀人=まれびと」という名付けをしたのである。
 🔴 だが、その折口にして、「来訪する神」を表す古い言葉の【まらひと】の語源や、その【まらひと】とされた存在を表す、「具体的な物」が何なのかを特定し、指し示すことは出来なかった。
 ...優れた民俗学者の折口信夫にして、それでも真理に到達し得なかった最大の理由は、イヤ、唯ひとつの理由は、それは折口がアイヌ語を知らなかった、その一事に尽きると私は考える。

☆ 折口信夫がアイヌ語を知っていたら ... ❓
...この続きは次回に語ろう。     (次回につづく)

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by atteruy21 | 2022-05-13 13:15 | Trackback(3) | Comments(0)