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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその1412

縄文語のかけらーその1032 (通巻第1716号)
 アイヌ語の【 marapto ( maratto ? )】には二つの意味があるとされる。その一つは宴会だの酒宴の意味だと言う。いま一つは、第一の意味と深い関係が有るのだが「熊などの頭」という語義である。
 ⭕ 熊などの頭は、宴会で歓待される賓客(ゲスト)であるから、この「宴会」の在りようを深く観察すれば【 marapto 】の原義が垣間(かいま)見えるかも知れない。

▽ 宴会で酒の廻し飲みなどをする意味は ❓
...アイヌ民族の熊送りに限らず、カムイや神を歓待しもてなすのに大和の文化でも酒は付き物で、神の礼拝の場は多く酒宴になる。神に酒を捧げて祈り、神からの酒を有り難く受ける。アイヌの酒宴では、女性たちが客の間を周旋(しゅうせん)し酒を注(つ)ぐ。大和文化だと、酒の廻し飲みが行われたりする。
 🔺 酒ではないが、茶の廻しのみの面白い噺がある。
 ...有名な豊臣秀吉が、何かの祝いの折りに部下の武将たちを呼んで茶会を開いた。その武将たちの中に、大谷吉継(おおたに・よしつぐ)と言う知将がいて、その彼が飲み回しで自分の所に回って来た茶の湯の椀を、一瞬の躊躇のあと一口だけ飲んだのだが、その椀を次にうけとる者が居なかったのである。

▼ 末期のハンセン病患者の吉継の口を付けた椀を...
...これは、何処まで本当にあった話か定かではないのだが、あの「人たらし」で有名な豊臣秀吉は、誰もが恐れて口をつけない吉継の茶碗を、上座から降りて来て有り難そうに受けとると、グッと一息に飲み込んで、旨いと言ったとか言わなかったとか。
 🔷 この時の秀吉の態度に恩を感じて、大谷吉継は生涯豊臣家に忠誠の心を失わず、関ヶ原の合戦に於いても負けると知りつつ西軍に馳せ参じたと言う。

◎ 酒宴で酒を注(つ)いで回るのは...❓
...宴の客に酒を注いで回るのは、それは神(カムイ)が女性たちの手を借りて、客のそれぞれに酒を賜(たまは)って居るのだと、大和の古人もアイヌの先人もそう考えたのだ。
 🔴 そこで、 marapto ( maratto )の原義の詮索が始まるのだ。

☆ marapto...一つ一つ廻って行くカムイ
...私は、今は失われてしまった「 marap ・マラプ =一つずつ廻って行く 」という語彙があったのではないかと思っている。
 🔶 よく似たアイヌ語で、「 kari =回って行く 」とは兄弟の語だが、「 kari 」が大きく回り込んで行くを表すのに対して、
「 marap 」の方は、各駅停車のように一つずつ廻って行くのだ。  (次回につづく)

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by atteruy21 | 2022-05-26 12:08 | Trackback(6) | Comments(0)