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アイヌ語と日本語の中に残る「縄文語」ーその1439

縄文語のかけらーその1059 (通巻第1761号)
 アイヌ民族のニヴフやウィルタなど北方民族との接触と交流、また衝突の記憶が、アイヌの古い民譚(みんたん=民話)に幾つも遺(のこ)っている。「アイヌ民譚集」と言うアイヌ語学者の知里真志保(ちり・ましほ)博士が著した本があるのだが、その本の巻末に「えぞおばけ列伝」という項があるので、その内の面白い二話を取り敢えず紹介しよう。
 
 ⭕ えぞおばけ列伝 10 . やかんおやじ
...樺太の山中に「キムナイヌ」(山の人)というお化けが住んでいる。頭がつるっ禿げなので、「ロンコロオヤシ」(禿げ頭を持つおばけ)とも称する。お化けと言っても案外親切な連中で、山の中で荷物が重くて困っている時など、
  アネシラッキ ウタラ  守り神さんたち
  イカスウ ワ ‼     手伝っておくれ
 と叫べば、やって来て荷を軽くしてくれる。ただし、禿げ頭の話だけは禁物で、山中でうっかり禿頭の話などしようものなら、
憤慨して山が荒れ、急に雨が降って来たり、何処からか出し抜けに木片が飛んで来たり、通りすがりに大木が倒れて来たりする。
 山中で風もないのに不意に大木がガラガラドッシンと倒れて来たら、それはこの連中の仕業だ。そう言う際はすかさず、

  キムン ポネカシ 山の小父さん
  ヤイカ ニー オツイナー お前さんの上に 木が倒れて行くよ
 と唱えれば、慌てて退散する。このお化けは、柄にもなく血を恐れると言い、里でも血を恐れる人をキムナイヌみたいだ、とからかう。

▽ キムナイヌ...人懐っこい側面と、狂暴で恐ろしい面と
...この第10話では、キムナイヌの人懐っこい面が語られる。
 🔺 ここで注目すべき点は、キムナイヌの身体的特徴を述べている点だろう。
 【禿げ頭】の示すもの ❗
 トントネ「 tonto-ne 」=禿げている
 ...もう気が付かれただろう。北方民族の第一の身体的特徴は、体毛が薄い事である。
 北方民族と呼ばれた人たちは、新モンゴロイドと呼ばれる、寒冷地に適応した体つきを持っていた。皮膚の下に多くの脂肪の層を貯え、寒冷地に住む適応をしたのである。厚い脂肪層のお陰でヨーロッパ人のように濃い体毛を生やす必要はなかった。また、 腫れぼったい瞼(まぶた)で眼球を護る適応をし、鼻などの突起部分を減らして、全体として扁平な顔つきを獲得したのだ。
...一方のアイヌ民族は、いわゆる「古モンゴロイド」に属し、寒冷地適応をしなかったから、目鼻立ちは彫りが深く、寒さに耐える為の濃い体毛を持っていたのである。  (次回につづく)

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Commented by shizenkaze at 2022-06-23 22:32
言葉はともかくアイヌの人達と琉球の人はDNAがとても似通っているようなので実際には同じ民族だという学者もいるようですね・・・・・
Commented by atteruy21 at 2022-06-24 11:54
コメントをありがとうございます。
 民族という言葉の定義の問題かも知れませんが、いずれにせよ沖縄の人たちとアイヌの人達は濃い血の繋がりが在るように私にも思えます。
 私の考えでは、アイヌの人々と沖縄を含む日本人(正確な定義ではないが)は、祖先が同じ縄文人だったと思うのです。  atteruy21 より
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by atteruy21 | 2022-06-23 11:53 | Trackback | Comments(2)