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アイヌ語雑感 ー 14

(2)アイヌ語の周辺ーその6 (通巻第2014号)

 「 parpok (パラポク)」と言うアイヌ語がある。風下(かざしも)と言う意味だと言う。「ソラ有った ! 」とばかり勇んで跳び付くと、こんな場合危険なのだ。関連する語の有無など確認してから判断するのが落ち着いた正しい態度なのだ。
...似た言葉や音(おん)に直ぐに飛び付いて焦って結論を出そうとすると、大火傷をすることが多いのだ。私がよく陥(おちい)った間違いの例は、これまで皆さんが散々に見てきたとおりである。

▽ 関連語を検証する ‼
...中川辞典に載る parpok の反対語に、 mawka 「風上(かざかみ)」と言う語が登載されている。この語の素性を調べてそれが信頼できる家柄のものであれば、その反対語の parpok の方も又、信頼が置けると言う判断になる訳(わけ)である。
 ⭕「 mawka 」=「 風上 」の定式は由緒あるものか ❓
 mawka の「 maw 」は、古いアイヌ語、つまりアイヌ語の古語であると考えられている。

▼ maw は息(いき)、息吹き(いぶき)のこと !
...アイヌ語の maw は、「 Kamuymaw =神風 」などの成語にも現れる古い言葉であって、動物の息(いき)が元々の意味であったようだ。それが発展して自然の「風」などの意味を獲得して行ったようなのだ。
 🔷 だが、動物の息が語源となったこの“ maw ”と言う言葉は、言わば第二次的な意味であって、風と言えばそれは「 maw 」だと言う事にはならなかったのだ。矢張、第一義的に「風」と言えば、それは“ rera ” と言う言葉に席を譲らねばならないのである。

◎ “ maw-ka ”= 「風・の上」は文法的には合格 ❗
...アイヌ語の“ parpok ”と“ mawka ”と言う語が、セットになって風上と風下の観念を表していそうだと言う事になれば、
アイヌ語の“ par ”と言う音(おん)が「風」を意味する言葉の一部として機能して居るとは言えそうである。
 🔺 だが、“ par ”という音は、飽くまでも風という意味の言葉の一要素の域を出ない不完全なものだと私は考えるのだ。

☆ 隣人の民族の言葉の影響下に成立した言葉 ❓
...アイヌ語の“ parpok ”は、やはりアイヌの固有の言葉で出来た合成語ではなく、隣のツングース系の民族の「風」を意味する言葉である「 pa-ram 」に触発されて出来た後発の言葉ではなかったか。そう私はおもうのだ。
 🔵 何故そう考えるのか。もう紙幅が尽きたので、それは次回に説明しよう。
  ( 次回につづく ・ Suy unukar-an ro ! )

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by atteruy21 | 2023-03-12 11:33 | Trackback | Comments(0)