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アイヌ語雑感 ー 88

(2)アイヌ語の周辺ーその80 (通巻第2088号)
 心臓のことを、古い日本語(大和言葉)では何と言ったのか。その答くらいは、もう結論を出そう。
...実は、国語辞典や古語辞典で古い昔の日本で心臓のことを何と言ったのかと調べても、「あっ、そうだったんだ ! 」と誰もが納得する答は出てこないのだ。エッ、古代人に心臓って言う言葉は無かったのと、普通の人だったら当然に思うだろう。
 🔺 「心臓」に該たる言葉は、当然の事ながら存在したのだが、その言葉は心臓だけを意味するものではなかったようなのだ。

▽ 「きも」と言う言葉 ~ それは心臓を意味し、肝臓のことも指した ❗
...辞典の類いを調べてみると、「きも」=「心臓」とスッキリ定義してくれる物は一つも無い。辞典の類いを部分と部分を引き較べて、語義を足したり引いたり、掛け算したり割ったりして、どうやら共通項を探すことに成功した。
 🔷 結論 心臓を表す言葉は、【きも】❗

▼ ただし、【きも】は【命を支える肝心な部分】の意味
...「きも」は普通、漢字としては「肝」や「胆」の字が充てられる事が多く、心臓の外にも、肝臓やら胆嚢など幾つかの重要な臓器を意味するのだ。【きも】という言葉自体にも意味の変遷が有って、後世になるに従って「肝臓」などが特に意識されるようになったようだ。
 🔶 では、その【きも】と言う言葉が成立した当初は、イッタイどんな意味でその言葉、つまり音(おん)が選ばれたのか、その謂れの追跡は可能なのだろうか。

◎ 【きも】と【心】...それは多くの部分で重なり合う ‼
...既に我々は、【きも】という言葉が内臓に関わりを持つと言うことと、併せてそれが何らかの形で精神的な何者かの意味を持つこと、心の領域に関わるものであることを知っている。
 🔵 古語辞典(再掲)
 きも【肝・胆】(名詞) ①肝臓。また、内臓の総称。はらわた。
 ②心。思慮。胆力。気力。
 こうして意味の項目を眺めて行くと、【きも】という言葉は、勝(すぐ)れて心に関わるものだと言う事が分かるのだ。もっと端的にあからさまに言えば、それは肝臓などでなく、心臓を表す言葉に他ならないと...。

☆ 人間は肝臓や胆嚢で物を考えない ‼
...肝臓に心は無い。肝臓で人間は物を考え、自信を持ったりやる気を出す事もない。胆汁の量で胆力や気力が培われる訳でもない。以下、次回に語ろう。 ( Suy u-nukar-an ro ! )

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by atteruy21 | 2023-05-28 14:18 | Trackback | Comments(0)