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アイヌ語雑感ー788  《特別号ー11》ブログ読者の方からのコメントに寄せてーその11  《通巻第2788号》

🔥 ポプニカと言う不思議な呪文の出自を問う‼️(その9)
.... 「桜木(さくらぎ)って言葉、知ってる ❓️」等と意味有りげな言葉で前回、このブログを閉じた。
 🔺 しかも、その言い回しがアイヌ語に繋がるのだなどと、ブログ読者の気を引くこと狙いのイヤらしい遣(や)り方に反感を抱かれた方もあったかも知れない。

▽ 日本語にも所属形などと言う文法概念が有った ❓️
.... アイヌ語には、文法上の概念として「所属形」と言う考え方が有ると言われる。物と物の間に切っても切れない密接な関係があるとき、そして、その一方が存在しなければ、もう一方が存在し得ないような関係に立つとき、人称接辞と相俟(あいま)って物の名称に特定の接辞を付ける事が多い。
 🔵 例えばそれは親子関係を表す言葉に現れる。 
 《語例ー1》 a po-ho 〜 これは「我が子よ」などと愛する子に対する呼びかけなどに用いられる言葉だが、
 細かく文の構成を分析すれば、 A 「我が=人称接辞」+ Po - ho 「子」という二つのパートで成り立っている。
  この内、poho の語は、子どもを表す“ Po ” が語幹であって、その後に続く“ − ho ” の音は、それが所属形を表す特別の音である事を示す語尾である。
 《語例ー2》ku mici - hi  「わが父」「私のお父さん」
 Mici が「父」を表す語幹であり、 - hi はその語尾である。「〜の父」という所属関係を表す。

▼ 桜木(さくらぎ)って、どんな意味 ❓️
.... 「桜木」は、【桜の木】の意味 ‼️ 何だ ❗️ちっとも所属関係を表して居ないじゃないかと腹を立ててはいけないのだ。
 ⭕️ ここら辺りで、そもそも所属形とは何かの話をして置く事が必要だろう。
 所属形と言うのは、名詞の在り方の一つで、物と物の間、或いは人と人の間に切っても切れない密接な関係がある時、その物と物との関係に応じて主体となる物事を表す語彙の語尾に、特定の音を付け足して、従属的な位置に立つ者を表す名詞を創り出すことを言う。
  .... 具体的に説明しよう。例えば親と子の関係である。親が居なければ子は生まれないわけで、子にとって親ほど大切なものは無い訳である。この辺を勘違いして、昔、日本では親子心中、無理心中と言うのが流行った。
  何らかの事情が有って、親が子を道連れにして、詰まり子どもを殺して自分たちも死んてしまうのである。子どもは親の持ち物だと言う身勝手極まりない考え方に立つものだが、芝居などにも取り上げられて庶民の同情を買って人気も有ったのである。

◎ 物と物の関係にも、所属形は必要 ❕️
.... 例えば、柄杓の柄と言う言い方が有る。柄(え)と言うのは器物に取り付けた細長い棒の事を言うのだが、柄杓と言うのは水を汲んだり飲んだりするのに必要な道具の、手に持つ部分を言うのだ。
 🔷 この柄杓には柄が付き物だが、柄と言う物は本体の柄杓の水を汲む部分が無いと、存在し得ない。柄杓の水を掬う部分が無いのに、柄の部分だけが空中に浮いているとしたら、これ程不気味な物は無いだろう。
 .... 柄杓の柄のことをアイヌ語では“ Pisakku Nicihi ” と言う。
  Pisakku 「柄杓=借用語」 Nit 「柄・棒」+ − ihi 「所属形を表す接辞」
  Nicihi という形になると、その意味は「〜の柄」の意味になる訳である。Pisakku nicihi は「柄杓の柄」となるのだ。

☪️ 所属形は、様々な関係を表す意味に拡がって行く ⁉️
.... 所属形をとる言葉は、「〜の一部であるナニナニ」だとか、「何々に準ずるナントカ」だとか、「何かには劣る何者か」だとかと、表す意味をドンドン広げて、新たな意味合いを獲得して行った形跡が有る。
 🟢 次回は、その辺りの面白い噺をする積もりである。
  (次回につづく ・ Suy unukar an ro ❢ )

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by atteruy21 | 2026-01-05 15:14 | Trackback | Comments(0)