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縄文語のかけらーその195 (通巻第880号)

 伝説の美女「手児名」の暮らしや「人となり」を萬葉の歌などから類推・再現してみようという身の程を知らない、身の丈にも合わない試みをしてきた。手児名の面影が、幾分なりとも読んで頂いた方の胸の片隅にでも浮かんだなら、望外の悦びである。
...手児名の噺を終えるに当たり、中途半端になっていた「てこな」という音(おん)の秘密の謎解きをしなければなるまい。

▽ 「テコナ」と言う言葉・音に、「 tek 」+「 kone 」+「 ya 」と言う三つの意味、音の要素を私は当て嵌(は)めた。かなり無理のある解釈である。
...先ず自説の弱点を告白してしまうと、この言葉は現在残っている言語で分類すれば、アイヌ語と大和言葉の沖縄方言から成る合成語であり、混成語である。実は、前にも沖縄の神話に出てくる北極星の女神「ネノハンマティダ」のことを取り上げた時に、その中の「マティダ」の語に「 mat 女+ tida 太陽・神 」=「女神」と言う、アイヌ語と沖縄方言のハイブリッド語を造語した前科が私には有ったのだが、覚えておられる方もあるだろう。

▼ このハイブリッド語と言うのは、言葉の成立過程を考える上ではかなりのハンディキャップである。遠く離れた沖縄の方言が、なぜ関東の古い言葉にヒョッコリ顔を出すのか。
...だが、沖縄方言だアイヌ語だと位置付けする前に、「ティダ・太陽」ないし「シ・シナ(太陽)」と聞こえるような古い言葉が日本列島に有って、それが沖縄方言やアイヌ語や大和言葉に分化して行ったのだと、私はそう考えるのだ。

◎ また連音(リエーゾン)の観点からも、「 kone + ya 」→「 kon-a 」の変化は一般的とは言い難い。ただ、この ne ・ ya が na に連音する例も、少なくはあるが、アイヌ民譚集などに「~ ne-yakkaネ・ヤッカ =~であって・も」が「~nakkaナッカ」と発音される例が散見されるから、tekoneya (テコネヤ)が tekona (テコナ)となっても不思議は無い訳である。

☆ 私の説の最大の弱点、それは言葉の意味の構成に無理が有るのではないか、と言うことである。
...「 tek 手 」+ 「 kone 粉になる・粉々になる・砕ける 」 + 「 ya ~する人 」と言う三つの言葉が、矛盾せずに一つの統一のとれた語として成立するか。最終的に「働き者」と言う言葉に昇華し得るのかと言う問題である。

★ 前には、身を粉(こ)にして働くと言う大和言葉の言い回しを例にして途中まで説明したのだが、今度は、それで済ます訳には行かないだろう。次回に詳しい説明をしよう。

    (次回につづく)

by atteruy21 | 2020-02-02 12:53 | Trackback(9) | Comments(0)