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🔴 Po-apa (女性生殖器)と言う言葉の分析からアイヌ語“ Po ”の古義を探る ‼
...最後のアイヌ語の母語話者と言われた萱野茂さんの辞典に、含蓄の深い成語が載っている。実は、その成語(言い回し)は構成する語彙の誤解に基づく誤った解釈なのだが、正解に至るには通らなければいけない場所なので、私の大好きだった偉大なアイヌ語話者の陥った誤りへの道筋を、注意深く踏査してみるのも、恐らくアイヌ語の学習者には大いに役に立つに違いない。

▽ どんな点から誤りの存在に気付いたのか ❓
...萱野辞典 ポアパ【 po-apa 】陰門。女性の外部生殖器。
 △ ポ = 子供  アパ = 戸 → 子供が出てくる戸
 萱野さんは、Po (ポ)と言う語に「子供(=赤ん坊)」の義を与える。これはユーカラ等にも登場する由緒ある語義であって、勿論間違いではない。だが、Po と言えば即、「子供」を意味するのかと言えば、それはいつも正しいとは限らないのだ。
 Poapa の“ Po ”は、此処では子供の意味でなく「下の~」を表しているのだが、それは後で検証するとして、萱野さんの訳がデタラメではないことの証明を先ずして置こう。

▼ 古い民譚・ウエペケレにも登場する Po と言う言葉 ❗
...中川辞典 ポ“ Po ”①子供。 ②息子。
 《用例》「アポホ !」 セコロ アウヌフ ハウェアン コロ イエシカリ
    “ a=poho ! ”sekor a=unuhu hawean kor i=esikari
 《訳文》「息子よ ! 」と母は言いながら、私に抱きついた。

◎ apa アパ「戸口」の古義を突き止める ‼
...ポアパ(女性器)と言うアイヌの古い言葉が、決して「子供(=赤ん坊)」が出てくる所」と言う意味で作られた語ではないと結論付ける事が出来るのは、apa と言う古いアイヌ語が「出てくる所」と言う意味と両立が出来ないと考えられるからである。
 🔶 Apa は「出口」でなく、「入り口」の義 ❗
 その証拠をお見せしよう。イヤ、一緒に探しに行こう。

☆ アパパ【 Apapa 】=入り口の向こう側 と言う語から考える ‼
...コタン アパパ タ アユシニカムイ ア・ニスク ワ ア・アヌ コロ パヨカカムイ カ コタノルン アフン ニューケシ
 kotan apapa ta Ayusni kamuy a=nisuk wa a=anu kor payokakamuy ka kotan・orun ahun niwkes
 村の入り口の向こう側(正面)に とげ付きの神(に守護)を頼んで置くと、病気の神も村へ入る事ができない。
   次回に詳しく説明しよう。  ( Suy u -nukar=an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-03-16 11:47 | Trackback | Comments(0)

👂 和人の耳に「サッポロ」と聞こえた音(おん)に、和人の役人は「 Sat poro 」と言うアイヌ語を対比させた。そのサッポロと言う名に聞こえた川を「乾いた・大きな・川」と解釈して、“Satporo pet ”と言う幽霊アイヌ語をでっち上げたのである。

▽ その解釈は誤り ❗ 土地のアイヌの付けた本当の名は“ Sat poru ”だった ‼
...問題の川は、現代では「豊平川」と呼ばれているのだが、この豊平川が土地のアイヌの人たちが呼んだ“ Sat poru ”という川に該当する事は誰も疑う者は無く、争いが無いのだと言う。
 🔷 それでは何故、「サッポール」という由緒ある名から、「豊平川」等と言う縁も所縁(ゆかり)も無さそうな名に、呼び名が変わったのか。

▼ 改めて「豊平川(とよひらがわ)」という名の由来を問う ‼
...豊平川の名は、アイヌ語の“ Tuye pira (トウイエ・ピラ)” =「切り立った崖」に由来する地名だと考えられる。
 🔺 「切り立った・崖」と言うと、日本語としては少し座りが悪く、私などは古い和語の「切り岸」を宛てたくなる。切り岸と言うのは、海辺や川岸の切り立った崖、所謂(いわゆる)「断崖絶壁」を指す。
 ご覧になってお分かりのように、 Tuyepira と言うのは、川の事を言うのではなく、その川の一部を成す断崖状の地形を言うのであって、川の名それ自体ではないのである。

◎ 「豊平」という名も豊平川の原名ではないとすると...
...Tuyepira nay とか Tuyepira pet 等と言う名前が付いていた訳ではなかったのだとすると、それでは一体、豊平川の元の名前、アイヌ語の原名は何と言う名であったのか。
 🔵 それでは矢張、アイヌの古老が主張したと言う“ Sat-Poru ”=「サッぽール」と言う呼び名しか残らないではないか ❗
 ...そうなのだ ! 札幌の名の元となった川の名は、アイヌ語で「 po ・下へ(地下へ)」「 ru 流れる者」詰まり、【洞窟川】の意味で名付けられたものだと私は考えるのだ。

☆ アイヌ語の“ Po ”に、「下へ」なんて意味なんか在るもんか ‼
...そう言って腹を立てるのは未だ早い !
⭕ これからアイヌ語の古い時代の意外な意味を探る、タイムトリップ(時間旅行)と洒落(しゃれ)込もうと言うのである。
 萱野辞典に、チョッとエッチな隠語と言うか、イヤ、正式のアイヌ語がある。
 ポアパ“ Po -apa ” 陰門。女性の外部生殖器。
 △ ポ = 子供  アパ = 戸 ← 子供が出てくる戸。   この記述は果して正しいのだろうか。
     ( 次回につづく ・ Suy u-nukar=an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-03-15 13:35 | Trackback | Comments(0)

 古く「サッポロペッ」と地元の人に呼ばれたと言うその川と言うのは、何処を流れる何と言う川なのか。
 🔷《乾いた(干上がった)・大きな・川》と呼ばれた、その川は、今は何と呼ばれて、何処を流れている川なのだろう。
干上(ひあ)がった大きな川と言うのだから、今はもう無くなって(廃川)しまった川の跡地と言う事も考えられる。

▽ 「サッポロ(ペッ)」は豊平川のこと ❗
...地元のアイヌの人たちから、古く「サッポロ(ペッ)」と呼ばれた川は、札幌市内を貫流する豊平川(とよひらがわ)を指すと言う事には異論が無いと言う。
 🔺 ウィキペディア 豊平川 「流路」
 ...豊平川は、札幌市と千歳市の境界にある小漁山(こいざりやま・標高1235m )と千歳市に在るフレ岳の間の沢に源を発し北に流れる。
 途中の定山渓で白井川を併せ東に向きを変え、また硬石山の麓で北に方向を転じる。

▼ 山地を抜け平地に至ると...
...そこから平地に入り、豊平川扇状地を形成する。札幌市街地を北東に流れ、同市東区と江別市の市街地を北東に流れ、江別市との境界で石狩川に合流する。
 🔵 豊平川の語源は...?
《札幌市豊平区役所ホームページ》より
 ...「地名で見る豊平区」 豊平
  アイヌ語で、「トイェ・ピラ」という「崩れた崖」を意味する、豊平川の川岸の一部の呼び名から、この地名が付きました。

◎ 扇状地を流れる川と言うのは、どんな様相を呈する ❓
...扇状地というのは、山地や高地から流れ降りて来た川が、平地にやって来て流れが弱まったり、何本もの流れに分散して、
ちょうど扇子を拡げたように土地が平らになった所を言う。
 🔶 流れが弱まった事により、水の流れに含まれていた土砂や礫(れき=小石)等が川底に沈澱して砂礫の原が出来る。そもそも、扇状地を作る程の川は、元々暴れ川のことが多いので、川の流れが特定の流路を持つ事が少なく、川幅を遥かに越えて太い流れが生まれ、それが扇状地と言う大平原を齎(もたら)す事にもなる訳である。

☆ 豊平川は或る箇所で地下に没し、別の所で泉池(メム)として復活する ❗
...扇状地を流れる川は、右に左に、上に下にと流路を変えること変幻自在であって...以下、次回に
    ( 次回につづく ・ Suy u-nukar=an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-03-14 16:06 | Trackback | Comments(0)

 🎶 恋の町札幌 作詞・作曲 ; 浜口庫之助  歌 ; 石原裕次郎
... 時計台の 下で逢って 私の恋は 始まりました
  黙ってあなたに ついてくだけで 私はとても 幸せだった
  夢のような 恋のはじめ 忘れはしない 恋の町札幌

▽ 札幌の語源は矢張(やはり)アイヌ語 ❗
...北海道と言えば、殆どの人が最初に思い浮かべる地名は「札幌(サッポロ)」であろう。道庁役場の在る、言わば北海道の首都であるから、当然と言えば当然の事と言えるだろう。
 🔷 その札幌と言う地名の、語源と言うか命名の由来はと言うと、こちらの方は余り知られては居ないのが実情だ。
 「サッポロ」と言う耳に聞いた音の響きから言って、これは日本語による命名では無さそうだと言うのは、誰もが感じる第一印象だろう。
 ...その通り、この「サッポロ」の名は、北海道の古くからの住人、アイヌ民族の言葉で名付けられた川の名であったと考えられている。

▼ 語源の川の名はアイヌ語で“ Satporo pet ”❓ ~ それは、今の何川の事を言うの ❓
...現在の通説では、サッポロはアイヌの人たちから“ Sat poro ”と呼ばれていた川の名であったと言う。
 🔺 それを聞いた和人が、川の名であるのなら、語尾には当然「ペッ(川)」とか「ナイ(沢」が付くのだな ! と土地のアイヌの人達に念押しをしたことだろう。

◎ アイヌの古老曰く「イヤ、昔から Satporu (サッポール)って名だよ❗」
...この押し問答は、結局アイヌの古老達が折れて、土地の台帳には、土地の者の古い言葉で【サッポロペッ】「乾いた大いなる川」の義と書き込まれることになった。
 🔵 アイヌの古老は、役人の帰りしなに、小声でこう呟(つぶや)いた。
 ...サッポールは、それだけで「地の下に入る川」と言う意味なんだから、ペッやナイは要らないんだよ。だが、和人のニシパにはそれでは気に入らないと言うなら、別に付けたって和人の勝手と言うものか?

☆ 「ぽール・ Poru 」と言うアイヌ語の秘密 ‼
...今日の段階では、Poru の語の意味は地下へ入る川とだけ検証無しにせつめいした。次回以降、何回かでその言葉の成り立ちを
分析して皆さんになっとくして頂く積もりである。
    ( 次回につづく ・ Suy u-nukar=an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-03-13 12:28 | Trackback | Comments(0)

🐚 櫂(かひ)って結局、何語なの ?
...ネット検索でコトバンクさんの面白い記事に巡り逢った。車櫂の謂れが分かるかも知れない。
 🔺 コトバンク 車櫂 (読み)くるまがい
 くるま-がい  【車櫂】
 『名詞』西洋船のオールのように、船縁に支点を設けて漕ぐ櫂。東北地方から北海道にかけて使われ、特にアイヌ船はこれを専用した。櫂を回転させて漕ぐためこの名があり、蝦夷地では俗に判官櫂(ほうがん・がい)と称した。

▽ 「櫂を回転させて漕ぐ」と言うのが分かりにくいけど...
...現物を見た事が無いので分からないが、言葉を素直に解釈して支点を軸にオールを回転させる事だと思われる。
  パドル方式の水を水平方向に掻いて(押して)進むのでなく、櫂を回転させて舟を進めるのだ。当然、漕ぎ手は舟の進行方向に対して後ろ向きに座り、のけぞるような形で舟を漕ぐ。
 🔷 両手を使って左右の舷に固定された櫂を漕ぐ訳だから、左右の腕を交互に前後して漕ぐのだが、必然の結果として、それは左右の腕の回転運動になり、胸元で何かを抱くような動きになる。

▼ 誰か知ってたら教えて ‼
...何かを抱くような形って、ヤッパリこじつけに聞こえる。櫂を漕ぐ両の腕が「交差する」という点に語源を求めるべきか。
 🔶 どなたか実際の車櫂の使用の場面をご覧になった方があれば、教えて頂きたい。
 いづれにせよ、「櫂」という漢字で表される言葉は、列島の固有の言葉であって、その発音は【かひ】であったという点は、ほぼ間違いなく言えるのでは無いだろうか。

◎ 【かひ】という、多様な意味を醸す言葉の周辺を探索してきた ❗
...この辺でこの言葉を離れ、別の話題に目を向けたい。ただ、実はこの【かひ】と同様、探索の途中で追究の矛先が不明確になって、中途半端で置き忘れられた言葉が未だ残っているのだ。
 🔵 その一つが札幌(さっぽろ)の地名の語源に関わる「ぽール・ポル」と言う語彙なのだが、憶(おぼ)えておいでだろうか。

☆ 札幌の語源はアイヌ語で“ Sat-poru (サッ・ぽール) ”= 乾いた・地下への流れ ❗
...次回に札幌の語源を明かそう。それは通説の「乾いた・大きな・(川)= Sat poro pet 」なのではない。
 ⭕ 前にも述べたことなので、繰り返しになる部分も有ろうと思うが、皆さんに「ヘエー、そうだったのか ? 」と眼を丸くして頂ける事をお約束しよう。
 ( 次回につづく ・ Suy u-nukar=an ro ! )

# by atteruy21 | 2024-03-12 15:46 | Trackback | Comments(0)